大島紬
大島紬は先染め・手機による平織の絹で、締め織りにより絣の加工をしたものをいうが、その代表的なものが謂ゆる泥大島である。
まず、締め機を使って複雑なかすり模様を作る独特な作業で、絹糸の絣の部分を図案に従って染まらないように木綿糸で織り締めて絣むしろというものを作る。
それをテーチ木(車輪梅)の煎じ液で染め、泥の中に含まれる鉄分で媒染し独特の黒褐色に仕上げるものである。
その後、木綿糸だけ全て取り除き図案通りに経緯の糸を並べ、必要に応じて色を差して織り上げて行く。
その歴史は古く、島民が自家用として着用していた紬織を、薩摩藩が18世紀にその専売として扱うようになり、その名を知られるようになった。 明治に入てからは、泥染の技術が定着し独特の黒褐色の紬が人気を博すようになって現在に至っている。
今回の取材では、銀座モトジ様と前田紬工芸様の一方ならぬお世話になり感謝申し上げる次第です。