芥子の花とアヘン

アヘンをすう男。 目が空ろだ。
アヘンをすう男。 目が空ろだ。

2004年アフガニスタンにカイバル峠を越えてはイルと、芥子の花で地面が覆われていた。  従来麦を作っていたところを儲かるからと芥子の栽培に転換したものだった。   アフガニスタン北部は大半の農家が芥子栽培に入っていた。   欲念になるとアメリカの圧力でこれがまた一掃され麦畑に戻っている。

アフガニスタン北部、バダクシャン州のファイザバードで聞いた話では、村の大部分はアヘンの常習、赤ん坊もなくとうるさいからと母親の乳首にアヘンを塗ってしゃぶらせ寝かせるそうである。

 

ワハーン回廊に入り遊牧民の男がアヘンをすっているところを撮影することができた。

最後の秘境・ワハーン回廊 ーシルクロードの最難関ー

ワハーン回廊の中心部 最も美しい場所だ。 遥かに中国国境を望む。
ワハーン回廊の中心部 最も美しい場所だ。 遥かに中国国境を望む。

2004年夏、機会を得て現在残されている世界の秘境の一つアフガニスタンの「ワハーン回廊」にはいった。

むかしからシルクロードの要路として栄え玄奨三蔵が経文を携えインドから唐に帰り、マルコポーロがクビライハーンを訪ねる時もこの道を通っている。 過去、1899年ロシア、英国、アフガン間の協定でこの地域には外国人を入れないということになり、以来原則的には入域許可が出ていない。  政権交代の隙間や地方部族の許可だけを得たり、非合法的に入る外国人は例外的にいてその記録はいくつか残っている。

今回は正式に入域許可を中央政府から取り、また村ごとの部族長からもいちいち許可を取りながらの旅行だった。

バダクシャンの首都ファイザバード迄カブールからは小型飛行機で、その後トレッキングの出発点サルハッド迄四駆車、その後馬とヤクに乗りいるシャッド峠を越えてパキスタン二はいるという12日間の行程であった。

 

詳細な記録は「山と渓谷」2006年2月号138〜143ページ参照。

ファイザバード

アフガニスタンの最北東部・バダクシャーン州の首都ファイザバードが出発点である。

この小さな街は、アフガニスタンがソ連に占領された当時マスード将軍率いる北部同盟の拠点となっていた。

ファイザバードからサルハッドへ

タジキスタンとの国境沿いにオクサス川をたどってサルハッド迄四駆車で移動した。

道は壊れ、何度も渡渉しながらの旅が3日間続いた。

ワハーン回廊を行く

いよいよ馬とヤクに乗っての高度4,000メートル前後の高原を行くキャラバンが始まる。

9日かかってパキスタンとの国境を越える迄の緊張した旅だった。

南にヒンズークシの山脈、北はタジキスタンキルギスタンとの国境に挟まれ、その間全く逃げ道のないルートである。

点在する遊牧民のキャンプはあるものの、親玉が山賊に早変わりする危険もありカラシュニコフを持った護衛を連れて行った。

最終日、ヤクに乗ってイルシャッド峠を越え、イルシャッド部落のモスクが見えた時は緊張が緩み、本当にホットしたものである。

途中であった人々

出発点のサルハッド村を出ると後は遊牧民のテントに時々出会う程度だった。

高山植物